いつの間にか、子育てが終わりかけていることにふと気がついた。
一人息子はこの4月から小学生になる。トイレや入浴、生理的な身体を維持するための行為は、本当は一人で全部できるようになっているのだろう。子供を食事させるのに手がかかるのは、食べこぼしや行儀を親が気にするからで、彼の食欲を満たすだけならもう手助けは不要だ。
そして彼との関わり合いで多いのは、今や躾になっている。禁止やルールへの強制が会話に多い。躾をしなければならない理由には自覚的ではないのに、半ば反射的にルールを彼に刷り込もうとする。
法律や規則、社会生活のルール、人間関係上のマナー、こうしたものすべてに疑問符をつけた時期が私にもあった。このときから私は確かに変質していることに気がつく。一体私は、彼にどうなってほしいのだろう。