2009年4月16日木曜日

保育園の良い記憶


一人息子が3月に卒園した保育園には、良い印象がたくさん残っている。なぜ良い印象が多かったのか、思いつくままに書き記してみる。
息子の保育園からは、いつも明るい雰囲気が感じられた。
  • 園舎や設備は新しく、手入れも行き届いていた。設備投資も継続していたように思う。
  • 若い保育士が多く、彼らの動きはきびきびとしていた。彼らが独身で自身の子供を持っていないことは、育児ずれしておらず、一人目の子育てをしている私の視線に近いと感じられたのかもしれない。
  • 教室内の掲示物や各種の配布物は丁寧な手書きの手作りのもので、暖かさや愛情が感じられた。クリスマスの時期には、ベランダや園庭の庭木がライトアップされ、子供を引き取りに行くとき私の心も和んだ。
躾や教育についても満足できる内容だった。共働きで子供をほったらかしにしている親が、とやかく言える筋合いではないのだが。
  • トイレ、食事、好き嫌いの克服、着替え、歯磨き、挨拶や礼儀、ルールを守ること、などなど、必要なことはほとんどみな、息子は保育士から学んだ。教える内容も教え方も、納得できるものばかりだった。
  • 年次が進むと、英語やリトミックなどの時間が毎週もたれ、調理実習なども行われた。
  • 遠足や運動会、芋掘り、クリスマス会などの企画も丁寧に実施され、良い思い出になったのではないかと思う。年長クラスでのお泊まり保育やお別れ遠足も、息子にとって印象が深かったようだ。
息子の保育園には、父母の共働きの生活を支援しようとする姿勢が十分に感じられた。
  • 保育時間は朝7:00から夜21:00までであり、夕刻には軽食または夕食を選択して与えることができた。子供の引き取り時間が急に変更になるような場合にも、柔軟に対応してくれたように思う。また、土曜日も保育してもらうことができた。
  • ホール出口のホワイトボードや担任の保育士と取り交わす連絡帳には、その日の様子が毎日書かれていた。毎月配布される冊子は手作りの暖かい内容のもので、園の雰囲気が想像できた。3ヶ月に1度くらい、園での生活を撮影した写真が張り出され、購入することができた。こうしたもの一つ一つによって、共に生活する時間が短いことによる不安な気持ちが、ずいぶんと癒された。
警備や法令遵守に関する取り組みを適切に行っていた。私が子供だった頃には考えられなかった類の事項だ。
  • 門は電子錠で常に施錠され、手のひら静脈認証かインターホンによる保護者の本人確認が行われた。
  • 磁気カードと記録簿で登降園の記録を行っていた。登園時に伝達した人ではないと、降園時に子供を引き取ることはできない。離婚した一方の親が子供を養育できなくなり、保育園から子供を連れて行ってしまうことがあること、それを防ぐために子供を引き取る人を登園時に特定する必要があることを知ったのは、ずいぶん後になってからだった。
  • 病気の子供に薬を飲ませてもらうためには、医療機関の名前や投薬内容を与薬票という専用の紙に記入する。数日分のシロップ薬を一度に飲ませてしまうというような過誤を防ぐためだ。
  • 第三者機関の評価を自ら受けていた。
  • 対応基準が明確ではない個人情報保護にも、試行錯誤しながら真摯に取り組んでいたように感じられた。
仕事がある日の子供たちは、起きている時間を家庭よりも長く保育園で過ごし、両親とよりも濃密な時間を保育士や園児たちと持つことになる。保育園は拡張された家庭であってほしいと、共働きの私は期待していたのだろう。
何か鍵となるような要因をもっと見つけ出してまとめたかったのだが、なかなかうまくいかない。だが、もし二人目を授かっていたら、やはりこの保育園へ通わせただろう(抽選が当たればだが)と思っている。こうした印象は、どのようにすれば生み出せるのだろう。サービスというものは単純ではないと思われた。